鈴木亮平
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2015年12月に紹介した阿賀野市今板地区の小林ミドリ竹籠店。(記事はコチラ→「五頭連峰の麓、今板地区伝統の竹細工技術を継承する竹籠店」)
こちらでは竹籠の仕上げの材料に使われる「根曲がり竹」を、毎年7月に地元の五頭山の中腹まで登り、手作業で採取しています。竹籠制作では材料作りが最も重要なのだそうですが、竹を採る時期が1週間ずれるだけで竹籠に向かないものになってしまうため、そのタイミングを見極めて山へ入ります。
今年は例年より少し早めの7月2日(土)に竹取り登山が行われました。小林ミドリ竹籠店の山本幸子さんと、小林ミドリ竹籠店が行っている竹籠教室の生徒さん、合わせて10名での竹取り登山に同行し取材させて頂きました。
朝7時30分に今板の工房に集合し、8時に五頭山の登山口に到着。ここから、ブナやヤマモミジ、ホオノキなどの落葉広葉樹が茂る登山道を登っていきます。竹籠作りを一緒に楽しんでいるメンバーのため、和気あいあいとした雰囲気で、草花を眺めたり、木いちごを食べたりしながら、目的地の根曲がり竹の群落を目指します。途中の小屋で休憩し、持ち寄った食べ物を分け合うのもとても楽しい時間でした。
そこから約20分程で目的地に到着。メンバーがそれぞれ持参した枝切りばさみや鎌を持って、竹藪の中へと入っていきます。竹籠づくりの材料となる竹は、今年雪溶け後に生えてきた1年目の若い竹です。特徴は、枝分かれがなく、茎の部分に褐色になった皮がまだらに残っていることや、笹が青々としてきれいな状態であること。そこに注目して探すと見つけやすいのだそうです。
一方、二股に分かれている竹は2年目以降のものなので竹籠の材料には向かず、1年目の竹でも、先端が虫食いなどにあっているものは使えないのだとか。
1時間ほど掛けて集めた竹の上部の3分の1ほど(柔らかすぎるため材料に不向きな部位)はその場でカットします。そうして残った部分を紐で縛り、米袋に入れて、それを各自のリュックの中に差して下山します。竹を採るのも運ぶのも手作業となる上、竹が採れる時期も限られているため、ある程度の人数が必要となる作業です。
ちなみに昨年採取した分の在庫が切れてしまったため、今回採取した竹が乾燥して使えるようになる8月までは、竹籠の仕上げがストップしているということでした。
下山後、工房では幸子さんの姉である美代子さんが待機し、運ばれてきた竹をナタで四つ割りのしていきいます。割った竹を乾燥させてから、皮の部分だけを残して材料の完成となります。この材料は、竹籠の縁に巻いて使われます。
小林ミドリ竹籠店の竹籠作りに欠かすことのできない、地元・五頭山の根曲がり竹。秋には、竹籠の持ち手となる竹(同じ根曲がり竹)を求めて再び山へと入っていきます。小林ミドリ竹籠店は、今では珍しくなった竹取りというこの地域固有の文化の継承も続けています。
小林ミドリ竹籠店
住所:阿賀野市今板
http://www.kobayashimidori-takekago.jp/
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