さらりとした杉の質感が心地いい、新発田の建具屋が作るちゃぶ台

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建具屋が作る、杉のちゃぶ台

さらりした手触りが心地よく、細かい柾目がきれいな杉のちゃぶ台。爽やかな杉の香りを持つこのちゃぶ台は、直径60cmというコンパクトサイズで、女性でも簡単に持ち運べる程の軽さが特徴です。実はこのちゃぶ台を作っているのは、家具の製作所ではなく建具の製作所。製造元である新発田市の高橋建具製作所でお話をうかがいました。

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直径60cmのちゃぶ台。天板も脚もすべて杉の無垢材で作られている。

熟練の職人による丁寧な手仕事

こちらのちゃぶ台は、5年ほど前から高橋建具製作所で建具製作の閑散期に作られてきたもの。年間10台程度しか製造しないという数量限定の商品で、ビスや釘などの金物を使わずに、ほぞ組や木釘を用いて一つ一つ手作業で丁寧に作っています。

杉を使っているためとても軽く、家の中のお気に入りの場所に運んで一杯楽しんだり、野外で和の趣のあるアウトドアをしたりと、気軽に好きな場所へ持っていけるのも特長です。この軽くて涼しげな質感は、夏の夕涼みに似合いそうです。なんだか枝豆とビールが欲しくなってきませんか?

このちゃぶ台、シンプルそうに見えますが、細部にはしっかりと熟練職人の技が使われています。例えば、折り畳んで収納できる脚は、使用時には木の部材でしっかり固定されますが、金物を使わずに安定感を出すのは非常に難しいことなのだそうです。

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広報・営業担当の五十嵐郁子さん。杉のちゃぶ台は女性でも軽々と持ち運べる軽さ。

このちゃぶ台の製作を担当しているのは、かつて桐箪笥職人だったという伊藤和行さん。

「脚を固定させる際、きつくしすぎると使っているうちに木が削れてしまうし、ゆるいと安定しません。また、木は生き物なので製作時の湿度に合わせて締め付け具合を変える必要もあります。その加減がとても重要です。」(伊藤さん)。

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ちゃぶ台の製作を担当している職人の伊藤和行さん。

また、天板や部材のR加工は、機械ではなく一つ一つ伊藤さんがかんなで削り、さらにサンドペーパーで丁寧に研磨をして仕上げています。柔らかな曲線に美しい木目、ついなでてしまいたくなるような優しい肌触りが親しみやすさを感じさせます。

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側面に見える木目の美しさは無垢材ならでは。
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ちゃぶ台の脚になるパーツ。ぴったりとはまるように精密に作られている。
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接合部は木釘で固定。金物は使用しない。

 

県外からの発注が約半数を占める建具店

ところで「建具店」は、一般的には地元工務店や住宅会社からの発注を受けて、建具や家具を製作するところです。しかし、こちらの高橋建具製作所では、直接お客さんからの注文を受けることが多く、しかも取引相手の半数が首都圏をはじめとした県外の個人や工務店なのだそうです。

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さまざまな木工機械が並ぶ作業場。

「十数年前、県内での住宅の需要が下がっていった時に、東京で行われた展示会に簾戸(すど)を出したところ、想像以上の反響がありました。その後も継続的に東京や横浜の展示会に出展することで、お客さんと出会える場をつくっています」と話すのは高橋建具製作所の代表・高橋孝一さん。

簾戸(すど)とは、文字通り簾(すだれ)が付いた戸のことで、日本で伝統的に使われてきた建具のひとつです。視線を遮り、部屋を区切る機能と、風を通す機能を備えた簾戸は、蒸し暑い日本の夏に適した合理的な建具。その涼しげな見た目で、風が吹いていなくても体感温度を下げるのだそうです。簾戸は高橋建具製作所の看板商品で、全国から直接注文が入ります。

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ツユクサやアヤメなどの夏の花が透かし彫りにされた簾戸。
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簾戸をはじめとした建具は、杉を加工して「ほぞ」を作り、立体パズルのように組んで作られる。

1枚数万円~十数万円する簾戸は、決して安いものではありませんが、丁寧に作られた簾戸は100年以上ももつのだそうです。蒸し暑い日本の夏、窓を閉め切ってエアコンを使うのではなく、あえて自然の風を取り入れて季節を味わう。自然素材の簾(すだれ)越しに見える庭の緑や光、虫の声などを楽しみながら過ごすことで、暮らしにゆとりや潤いが与えられるように思います。

 

高橋建具製作所で作られる杉の簾戸やちゃぶ台は、ただの機能的な道具ではありません。先人たちが作り上げてきた、“日本の季節を受け入れて楽しむ”という文化を伝えてくれるものであり、そのような暮らし方自体が、日本が誇るべき独自の感性なのではないかと思います。

 

有限会社 高橋建具製作所

住所:新潟県新発田市小舟町1-15-5

TEL:0254-22-6450

URL:http://www.kimajime.co.jp/